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Mao, W.*; 藤田 将弥*; 近田 拓未*; 山口 憲司; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 松崎 浩之*
Surface & Coatings Technology, 283, p.241 - 246, 2015/12
被引用回数:3 パーセンタイル:13.81(Materials Science, Coatings & Films)イオンビームスパッタ蒸着法では初めて、成膜温度973K、成膜時の真空度10Pa未満という条件で、Si (100)基板上に単相のErO(110)薄膜を作製することに成功した。Erのシリサイドが反応時に生成するものの1023Kでの加熱アニールにより、EOの単相膜に変化し、エピタキシャル成長することを反射高速電子線回折法(RHEED)やX線回折法(XRD)などの手法によって確認した。
Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 木田 徹也*; 永野 正光*; 野口 英行*
Materials Sciences and Applications, 6(5), p.353 - 359, 2015/05
蜂の巣状の構造を持つ六方晶ホウ素-炭素-窒素化合物(h-BCN)の合成を試み、その構造を調べた。試料は高周波プラズマ誘起化学蒸着法により作成した。欠陥の少ないきれいな薄膜を合成するため、h-BCNと格子定数の近いダイヤモンドを基板に用いるとともに、蒸着中の基板温度を950Cと高温に保持した。X線光電子分光スペクトル(XPS)測定の結果、合成したh-BCN薄膜の組成は、ホウ素0.31, 炭素0.37, 窒素0.6であった。放射光を用い、ホウ素K吸収端および窒素K吸収端のX線吸収端微細構造(NEXAFS)スペクトルを測定した結果、得られた薄膜は理想的な蜂の巣状の構造を持ち、窒素の欠陥はほとんどないことが明らかとなった。
山口 憲司
シリサイド系半導体の科学と技術, p.113 - 121, 2014/09
本稿は、イオンビームと固体との相互作用に起因するスパッタリング現象について概説したのち、これを薄膜創製に応用したイオンビームスパッタ蒸着法の説明をしている。さらに、イオンビームスパッタ蒸着装置に基板表面処理用のイオン照射系を備えた実験装置の構成例を示したうえで、本手法によってシリコン基板上に作製された鉄シリサイド半導体薄膜の特徴を解説した。実験結果が示すところでは、薄膜は基板に対して高配向した連続膜であり、しかも、基板との間に非常に鮮明な界面を形成することも分かった。
山口 憲司; 志村 憲一郎; 鵜殿 治彦*; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Thin Solid Films, 508(1-2), p.367 - 370, 2006/06
被引用回数:12 パーセンタイル:49.64(Materials Science, Multidisciplinary)成膜後の加熱処理が-FeSi薄膜からの発光(PL)特性に与える影響をより詳細に調べるために、作製した薄膜試料をさまざまなアニール条件で処理した。試料の作製はイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法もしくは分子線エピタキシー(MBE)法によった。いずれの製法でも、蒸着速度は0.5nm minとほぼ同程度で、膜厚は50-100nmであった。また、PL測定は1100-1700nmの波長範囲で行った。測定の結果、最も強いPL強度を示すのは、IBSD法で作製した試料を1153Kにて10Pa程度の真空中でアニールした場合であることがわかった。この場合、測定温度150K以下では、温度が増加してもPL強度はさほど減少しない。しかし、150K以上になると、温度の増加とともに急激に減少するとともに、ピーク位置も低エネルギー側へシフトすることがわかった。一方、超高真空(10Pa)下でアニールをした場合、アニールによりPL強度は著しく減少した。さらに、透過型電子顕微鏡による断面組織観察によって、高温での真空アニールによりシリサイド膜は数10nm程度の粒状となり、周囲をSiにより取り囲まれてしまうこともわかった。MBE法により成膜した鉄シリサイド膜についてもPL特性を調べたが、概して強度は弱く、また、アニールによる強度の増加もごくわずかであった。
志村 憲一郎; 山口 憲司; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Vacuum, 80(7), p.719 - 722, 2006/05
被引用回数:9 パーセンタイル:34.26(Materials Science, Multidisciplinary)イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により作製した-FeSi薄膜の発光特性に及ぼす、-FeSiの構造や表面組成の影響を調べた。本手法により、あらかじめNeイオンによりスパッタ洗浄したSi(100)表面上にFeを蒸着させることにより、973Kにて高配向性の-FeSi薄膜を作製した。用いた基板はSi(100)単結晶基板、及び、酸化物絶縁層上に100nm程度のSi(100)層を有するSIMOXと称する基板である。発光測定は、6-300Kの温度範囲で行った。いずれの基板上の-FeSiも6-50Kで0.83eV付近に鮮明な発光ピークを有し、その強度もほぼ同程度であった。しかし、Si(100)基板上に作製した-FeSi薄膜は、1153K,真空中(10Torr)でのアニールにより発光強度が劇的に増加したのに対し、SIMOX上で成膜した薄膜の発光強度は、アニールにより逆に減少した。いずれの薄膜もアニールにより大きくその構造が大きく変貌することが透過型電子顕微鏡による断面組織観察により明らかになった。さらに、X線光電子分光法による組成分析によると、SIMOX基板の場合にはシリサイド層直下の酸化物層から酸素が侵入することもわかった。こうした構造上、組成上の変化が観測された発光特性の変化と深く関係していると思われる。
山本 春也; 武山 昭憲; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.377 - 379, 2006/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.55(Instruments & Instrumentation)硫黄を添加した二酸化チタン(S-TiO)の粉末試料では、可視光領域の光吸収の発現など光学的特性が変化し、光触媒性の向上が見いだされている。そこで本研究では、S-TiO粉末を原料とした薄膜の作製を目指し、パルスレーザー蒸着法を用いて多結晶及び単結晶構造のS-TiO膜の作製を試みた。作製した膜について、X線回折,ラザフォード後方散乱法などを用いて構造評価を行った。その結果、硫黄の添加量を数at.%の濃度で制御し、シリコン基板上にアナターゼ型の多結晶TiO膜,サファイア(0001)単結晶基板上にルチル型のTiO(100)単結晶膜を作製することができた。本研究よりTiO膜中の硫黄濃度を制御する主なパラメータは、ターゲットの組成,成膜中の雰囲気,基板温度であることが明らかになった。
志村 憲一郎; 山口 憲司; 山本 博之; 笹瀬 雅人*; 社本 真一; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.673 - 675, 2006/01
被引用回数:6 パーセンタイル:43.77(Instruments & Instrumentation)イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により作製した-FeSi薄膜の発光特性を調べ、本手法による-FeSiとしては初めて、100K以下の温度にて0.77及び0.83eV付近に発光ピークを観測した。さらに1153Kで24時間以上アニールすることにより、ピーク位置は0.81eVへとシフトするものの、6Kでの発光強度は1桁以上増加した。アニール前の発光スペクトルは100K以上で消光してしまったのに対し、アニール後は、室温付近まで発光を観測することができた。
志村 憲一郎; 山口 憲司; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.676 - 678, 2006/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)絶縁性の酸化物層上に100nm程度のSi層を有するSIMOX基板を用い、イオンビームスパッタ蒸着法によるドライ・プロセスで-FeSi層を絶縁層上に作製することを試みた。しかし、Feターゲットを用いてSi層をシリサイド化させる過程で、直下の酸化層から酸素が拡散することがわかった。そこで、このシリサイド層をテンプレートとし、この上にFeSiターゲットを用いて蒸着を行うことで、酸素の混入がほとんどない厚膜のシリサイド層の作製が可能になった。
Choi, Y.; 山本 春也; 梅林 励; 吉川 正人
Solid State Ionics, 172(1-4), p.105 - 108, 2004/08
被引用回数:41 パーセンタイル:82.25(Chemistry, Physical)光触媒能を有する二酸化チタン(TiO)結晶は、環境問題を解決する材料として注目されている。アナターゼ構造のTiO結晶はルチル構造のそれに比べて、触媒活性が高いことが知られており、アナターゼ構造のTiO薄膜を作製する技術を開発することが、今後、極めて重要になると考えられる。本研究では、酸素雰囲気で基板温度を調節することによって、炭化チタンをタゲットとするパルスレーザー蒸着法によりアナターゼ構造のTiO薄膜の作製に成功した。薄膜試料の表面状態を原子間力顕微鏡で、その化学結合状態をX線光電子分光法で調べ、それらをTiO粉末試料の結果と比較しながら議論した。
山口 憲司; 部家 彰*; 志村 憲一郎; 勝俣 敏伸*; 山本 博之; 北條 喜一
Thin Solid Films, 461(1), p.17 - 21, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:25.1(Materials Science, Multidisciplinary)-FeSiは、Si基板へのエピタキシャル成長が可能で、新しい光エレクトロニクス用半導体への期待から大きな関心を集めている。その結晶構造は、合成時におけるFeとSiの原子比に大きく依存するため、本研究では、Fe,FeSi,FeSiといった種々の組成比を有するターゲット材料を用い、イオンビームスパッタ蒸着法によりSi(100)基板上への-FeSi薄膜の合成を試みた。実験結果によると、FeSiターゲットの場合、Siリッチな相である-FeSi (FeSi)が支配的であった。一方、Feターゲットの場合は、(100)面に配向した-FeSi相が873-973 Kで観測された。FeSiターゲットではSiはターゲットと基板の双方より供給されるため、必然的にSiリッチとなり相が維持できなくなると考えられた。しかし、一方で、Feターゲットの場合でも、膜厚が100nmになると多結晶質になることがわかった。これらの事実は-FeSiのエピタキシャル成長にとってFeとSiの原子比が重要であることを示していると考えられ、そこで中間的な組成を有するFeSiターゲットを採用したところ、120nm程度の高配向性の-FeSi膜を作製することができた。
山口 憲司; 原口 雅晴*; 勝俣 敏伸*; 志村 憲一郎; 山本 博之; 北條 喜一
Thin Solid Films, 461(1), p.13 - 16, 2004/08
被引用回数:10 パーセンタイル:46.79(Materials Science, Multidisciplinary)イオンビームスパッタ蒸着法により、773-973Kの温度範囲で、Si(100)基板上にFe蒸着膜厚8-30nmの-FeSi薄膜を作製した。X線回折による分析の結果、本研究の条件下では-FeSi相が支配的であることがわかった。薄膜の電気特性については、蒸着の前後で電気特性がほとんど変わらなかったことから、圧倒的に基板の電気伝導度が大きいと考えられた。最良の結晶特性を有する薄膜は、基板温度; 873K, Fe蒸着膜厚; 15nm、もしくは、温度; 973K, 膜厚; 30nmという条件下で得られた。これを換言すれば、前述の条件よりも高温もしくは低膜厚条件下では、金属相である-FeSi相が混在するようになる一方で、低温,高膜厚条件下では-FeSi相は多結晶質になった。これらの事実は、Si原子とFe原子による相互拡散、ならびに、その拡散を抑制するシリサイド層が、結晶成長に重要な影響を及ぼすことを示唆している。
志村 憲一郎; 勝俣 敏伸*; 山口 憲司; 山本 博之; 北條 喜一
Thin Solid Films, 461(1), p.22 - 27, 2004/08
被引用回数:8 パーセンタイル:40.98(Materials Science, Multidisciplinary)-FeSiは、自然界に多く存在している鉄とシリコンから構成されており、また製造段階で毒性の強い薬品を多用しないため、次世代の環境半導体として注目されている。また、その特性は、現在の光通信技術を進歩させるに十分なものとされる。しかしながら、現在その合成法は未発達な状態にある。Si基板上に-FeSiをエピタキシャル成長させるうえで、その作製法は数多くあるが、われわれはイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法を採用している。実用的な-FeSiのデバイス化で必要なことは、単結晶薄膜を得ることである。鉄蒸着前のSi表面の状態は、薄膜の結晶性に大きく影響を及ぼすと考えられる。本研究では、ネオンイオンによるスパッタ・エッチング及び照射後、1073K, 1時間程度の熱処理を行いFeの蒸着を行った。最適なスパッタ・エッチングの条件を模索するため、ネオンイオンエネルギーを14keV、フルエンスを0.3103010ions/mと変化させ薄膜作製を行った。作製された薄膜は、X線回折法を用いその結晶性を評価し、スパッタ・エッチング条件の変化が薄膜にいかに影響を及ぼすかを調べた。その結果、エネルギー1keV, フルエンス310ions/m程度が最適であると結論づけられた。
山本 春也; Choi, Y.; 梅林 励; 吉川 正人
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 29(6), p.2701 - 2704, 2004/00
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であるが、薄膜状で利用する場合には、表面の微結晶化による表面積の増大及び結晶性の向上が必要とされている。本研究では、表面積の増大及び結晶性の向上を目的に酸化亜鉛(ZnO)をバッファー層に利用した高配向性二酸化チタン膜の形成条件について調べた。酸化亜鉛及び二酸化チタン膜は、低圧酸素雰囲気下でレーザー蒸着法により石英,シリコン,-AlOなどの基板上に作製し、走査型電子顕微鏡観察,X線回折,ラザフォード後方散乱により構造評価を行った。蒸着中の基板温度が約500Cで、基板上に大きさが数数十ナノメータの(0001)面に結晶配向した酸化亜鉛の微結晶から成る膜が得られ、さらにこの膜上に(001)面及び(100)面に結晶配向したアナターゼ及びルチル型二酸化チタンの微結晶から成る膜を形成することができた。また、有機色素の分解により光触媒性を評価した結果では、基板に直接二酸化チタンを成膜した試料よりも高い光触媒性が得られ、微結晶化による表面積の増大及び高配向性結晶の形成により光触媒性を向上させることができた。
山本 春也; 八巻 徹也; 楢本 洋; 田中 茂
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.268 - 271, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:64.64(Instruments & Instrumentation)光触媒材料である二酸化チタン(TiO)は、遷移金属をドープすることにより光学的特性が変化し、光触媒性の向上も期待される。本研究では、パルスレーザー蒸着法を用いてCr, Nb, Ta, Wをドープしたルチル及びアナターゼ構造の高品質なTiO単結晶膜の作製を試み、成膜条件や蒸着後の熱処理などの条件を明らかにした。作製した膜の構造評価は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法を用いた。その結果、0.2~1.5 at.%の濃度でドープした金属原子が格子位置を占めたルチル及びアナタ-ゼ型のTiO単結晶膜の作製に成功した。また、SrTiO(001), LaAlO(001)基板上に成長させたアナターゼ型TiOの熱的安定性を調べた結果、約1000Cまでアナターゼ構造を保持することがわかった。
原口 雅晴*; 山本 博之; 山口 憲司; 仲野谷 孝充; 斉藤 健; 笹瀬 雅人*; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.313 - 316, 2003/05
被引用回数:17 パーセンタイル:72.63(Instruments & Instrumentation)環境半導体,-FeSiは環境に配慮した元素から構成され、受発光素子・熱電変換素子などへの応用が期待される材料である。本研究ではSi基板の表面処理法が成膜した-FeSiの結晶性に及ぼす影響を検討することを目的として、高温加熱処理,スパッタ処理,化学処理の3種の異なる方法で処理した基板を用いてそれぞれFeをスパッタ蒸着し成膜を試みた。得られたX線回折スペクトルから、高温加熱処理した基板を用いた場合は成膜温度973Kにおいて相ではあるものの種々の結晶方位が混在する膜となった。一方スパッタ処理,化学処理による基板の場合ではいずれも比較的良好な結晶性を持つ-FeSi膜が得られた。透過型電子顕微鏡による薄膜断面の像からもそれぞれの基板処理法によって基板表面の構造とともに膜の結晶性が変化することを示すとともに、簡易な処理法であるスパッタ処理においても結晶性が良好であることを明らかにすることができた。なおホール効果測定によるキャリア密度との関係についても併せて議論を行った。
部家 彰*; 原口 雅晴*; 山本 博之; 齊藤 健*; 山口 憲司; 北條 喜一
石川県工業試験場平成14年度研究報告, (52), p.9 - 12, 2003/00
環境半導体である鉄シリサイド(-FeSi)をイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により生成した。ターゲットにFeSiを用い、FeSi蒸着膜厚を変化させたときのFeSi膜の結晶構造及びSi, Fe濃度分布の変化から、成長機構を検討した。その結果、FeSi蒸着量によりFeSi膜の結晶構造が異なり、それはFeに対するSiの供給量に依存すること、また、FeSiターゲットを用いることにより、膜厚100nm程度の(100)優先配向性の-FeSi膜が生成できることを示した。
原口 雅晴; 山本 博之; 山口 憲司; 笹瀬 雅人*; 仲野谷 孝充; 斉藤 健; 北條 喜一
真空, 45(10), p.749 - 753, 2002/10
環境半導体,-FeSiは人体への悪影響が少なく、資源も豊富に存在する元素からなる環境に配慮した材料であり、受発光素子・熱電変換素子などへの応用が期待されている。本研究ではSi基板の表面処理法が成膜した-FeSiの結晶性に及ぼす影響を検討することを目的として、高温加熱処理,スパッタ処理,化学処理の3種の異なる方法で処理した基板を用いてそれぞれFeをスパッタ蒸着し成膜を試みた。得られたX線回折スペクトルから、高温加熱処理した基板を用いた場合は成膜温度973Kにおいて相ではあるものの種々の結晶方位が混在する膜となった。一方スパッタ処理,化学処理による基板の場合ではいずれも比較的良好な結晶性を持つ-FeSi膜が得られた。スパッタ処理法は簡易ではあるが表面に欠陥が残ることが予想される。この処理法によって原子レベルで平滑な表面が得られる化学処理と同等以上の膜が得られたことは、基板表面における拡散・反応過程が重要な過程となる本成膜法では欠陥の存在がFe-Si相互拡散を促進させ、薄膜形成に有利に働いたことを示している。
Syarif, D. G.; 宮下 敦巳; 八巻 徹也; 住田 泰史*; Choi, Y.; 伊藤 久義
Applied Surface Science, 193(1-4), p.287 - 292, 2002/06
被引用回数:91 パーセンタイル:93.63(Chemistry, Physical)レーザ蒸着(PLD)によりガラス基板上二酸化チタン()薄膜を作製した。結晶構造,表面構造,光触媒性能の酸素分圧依存性をX線回折(XRD),原子間力顕微鏡(AFM),UV-VIS分光計で求めた。基板温度773Kの条件で酸素分圧の増加により、表面構造は平坦から粗い構造へと変化し結晶構造はルチルからアナターゼへと変化した。酸素分圧調整の結果、表面構造の変化とアナターゼ構造生成により光触媒性能は向上した。
Zhu, X. D.; 楢本 洋; Xu, Y.; 鳴海 一雅; 宮下 喜好*
Journal of Chemical Physics, 116(23), p.10458 - 10461, 2002/06
被引用回数:5 パーセンタイル:14.78(Chemistry, Physical)基板温度をパラメータにして、C60蒸着と同時に1.5keVNeイオン照射を行い、得られた炭素薄膜の結合状態をラマン分光法で、表面形態の特徴を原子間力顕微鏡で評価した。その結果、以下の結論を得た。表面形態の変化は、イオンスパッタリングとC60の同素体変換過程による蒸着との競合過程で特徴付けられ、ナノメートルサイズでの微細構造の制御が可能になるを示した。
山本 春也; 住田 泰史; 八巻 徹也; 宮下 敦巳; 楢本 洋
Journal of Crystal Growth, 237-239(Part1), p.569 - 573, 2002/04
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であり、触媒特性の大幅な向上にはルチル及びアナターゼ構造の高品質なエピタキシャル膜の作製が必要とされている。本研究では、レーザ蒸着法によりTiOのエピタキシャル成長を試み、種々の基板と膜との結晶方位関係,基板温度と膜の結晶性の関係を明らかにすることを目的とした。TiO薄膜試料は、低圧酸素雰囲気下でエキシマレーザ(ArF 193nm)を用いたレーザ蒸着法によりLaAlO,LSAT,SrTiO,YSZ, -AlOなどの単結晶基板上に約200nmの膜厚で作製した。TiO薄膜は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法により構造評価を行った。その結果、基板温度が約500C以上でアナターゼ構造の高品質なエピタキシャルTiO(001)膜がLaAlO(001), LSAT(001), SrTiO(001)基板上に得られ、また、-AlO(0001)及び(01-01)基板上には各々ルチル構造のTiO(100)及びTiO(001)膜が得られた。さらに光学的バンドギャップを評価し、アナターゼTiO(001)膜で3.22eV,ルチルTiO(100)膜で3.11eVの値を得た。